ペアガラスの交換費用やDIYの方法、補助金について分かりやすく解説
「ペアガラスを交換したいけど、費用っていくら?DIYで安くできる?」「ペアガラスに交換すると補助金がもらえるって聞いたんだけど…」と考えていませんか?
ペアガラス交換のDIY難易度は高いので、プロの業者に交換してもらうことをおすすめします。
具体的な料金表はこちらをご覧になってみてください。
ペアガラスが割れて交換する場合は、割れた理由によっては保険が下りて実質ゼロ円で交換できることがあります。
それから、断熱性のあるペアガラスに交換すると補助金(上限200万円)がもらえる可能性がありますので、検討してみてください。
目次
- ペアガラスとは?交換前に知っておきたいメリット・デメリット
- ペアガラスとは?
- ペアガラスの4つのメリット
- ペアガラスの6つのデメリット
- ペアガラスの交換前に!知らないと損する「選び方」と「種類」
- 交換用のペアガラスを選ぶ2つのポイント
- 【ポイント①】断熱・遮熱性の高さ
- 【ポイント②】ガラスの厚み
- ペアガラスに交換するならこの8種類から選ぶ!
- ペアガラスの交換はDIYできる?失敗しないためには…
- ペアガラスの交換料金を解説!
- ペアガラスの料金表(目安)
- ペアガラス交換の料金表(ガラスのみ交換)
- ペアガラスをサッシごと交換する場合の料金
- 「実質0円に!?」ペアガラスの交換費用を安くする2つの方法
- 【方法①】断熱窓のリフォーム補助金を利用する
- 【方法②】保険を利用する(※ペアガラスが割れた場合)
- ペアガラスの交換やその費用についてのまとめ
ペアガラスとは?交換前に知っておきたいメリット・デメリット
ペアガラスへの交換が初めての方は、あなたの自宅に適した内容になるように、ある程度ペアガラスについて知っておくことをおすすめします。
すでにご存じの方も、思わぬ落とし穴に落ちてしまわないように、復習がてら目を通してみてください。
ペアガラスとは?
ペアガラスとは、大手ガラスメーカーのAGCの登録商標で、複層ガラスの一種です。
複層ガラスは、2枚のガラスの間に空間(中間層)を持たせたガラスです。
この中間層に吸湿剤やガスを入れたり、真空にしたりすることで、断熱(だんねつ)性・遮熱(しゃねつ)性が高く、結露がしにくいガラスになります。
断熱と遮熱の違いは次の通りです。
断熱と遮熱の違い |
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・遮熱=夏の暑さをさえぎる ・断熱=冬の寒さを和らげる |
住んでいる地域の冬の寒さが厳しいなら断熱、夏の暑さが厳しいなら遮熱という言葉を覚えておいてくださいね。
ガラスが3枚合わさったトリプルガラスも複層ガラスの一種です。
ペアガラスと二重窓で悩んでいる人もいると思いますが、その違いは次の通りです。
メリット | デメリット | |
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ペアガラス | 2枚のガラスの中心が空気層になっているため、断熱効果が高い |
サッシがアルミ製の場合は結露低減効果が低い |
二重窓(二重サッシ) | 窓自体が二重になっているため、断熱・防犯・防音効果が高い | 価格が高く、窓の間の掃除がしにくい |
どちらも断熱・遮熱効果、結露低減の効果はあります。
メリット・デメリットを踏まえて、どちらがあなたの家に適した内容なのか、業者に相談したり、見積もりを取ったりして判断をしてください。
ペアガラスの4つのメリット
ペアガラスの4つのメリット |
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【メリット①】断熱性や遮熱性が高い=節約できる 【メリット②】結露を低減できる 【メリット③】熱割れしにくい 【メリット④】機能(防犯、紫外線カット、防音など)を付加できる |
ペアガラスは断熱性・遮熱性が高く、冷暖房費を年間で数千円~数万円単位で節約できるようになります。
「熱割れ」とは、厳しい冬の寒暖差で、自然に割れてしまう現象のことです。
ペアガラスの場合、次のような条件が揃うと、まれに熱割れすることがあります。
ペアガラスが熱割れしやすい条件 |
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【条件①】南向き・西向きで日射しが直接あたる 【条件②】横900㎜(0.9m)以上・高さ2000㎜(2m)以上 【条件③】家が築10年以上 |
より詳しくは「ガラスの熱割れとは?」に載っていますので、ご覧になってみてください。
付加できる機能には、防犯や防音、紫外線カットなどがあるのですが、機能の多さに比例して高額になりますので、交換の際は、予算についても専門業者に伝えてください。
参考)日本エコ断熱フィルム
ペアガラスの6つのデメリット
ペアガラスの6つのデメリット |
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【デメリット①】価格が高い 【デメリット②】強度は2倍にならない(防犯性は高くない) 【デメリット③】結露が防げないことがある(サッシがアルミの場合) 【デメリット④】寿命が10~20年と短い(通常のガラスの半分ほど) 【デメリット⑤】一枚だけ交換することができない 【デメリット⑥】内部結露はDIYで修理できない |
ペアガラスはガラスが2枚が合わさっているだけで、強度が2倍になるわけではありませんので、防犯性は高くありません。
防犯性をお考えなら、こちらの「防犯ガラスの値段と交換費用相場は?後悔ないようにデメリットも解説」をご覧になってみてください。
それから、ペアガラスに変えても、アルミサッシだと結露を防げないことがあります。
結露がひどい場合は、樹脂製のサッシ・窓枠に変えることも検討してみてください。
寿命は10~20年と短めですが、冷暖房の節約費(年間数千円~数万円)を考えると、交換する金銭的なメリットは大きいです。
なお、構造的に、一枚だけ交換することやガラス内部の結露の修理はできません。
参考)ペアガラス(複層ガラス)とは?メリットやデメリット、防犯性能について
ペアガラスの交換前に!知らないと損する「選び方」と「種類」
ペアガラスの交換前に必要な知識は、メリット・デメリットだけではありません。
ここでは、より大事な選び方の2つのポイントと8つの種類をご案内します。
交換用のペアガラスを選ぶ2つのポイント
ペアガラスには、いくつかの種類がありますので、このようなポイントを抑えて選ぶようにしてください。
このポイントを知っておくと、ペアガラスの種類の理解がとてもスムーズです。
なお、この選び方は、AGC社のペアガラスだけでなく、LIXIL(トステム)やYKK、セキスイハイムなどの複層ガラスについても同様です。
【ポイント①】断熱・遮熱性の高さ
まず、1つ目のポイントの「断熱・遮熱性の高さ」ですが、ペアガラスの種類によって断熱・遮熱の性能の高さは異なります。
断熱・遮熱の性能が高ければ、冷暖房の節約費用が大きくなります。
こちらのエコガラス省エネシミュレーションを利用すると、年間で数千円~数万円の節約につながることが分かりますので、一度、チェックしてみてください。
例えばペアガラスを「Low-E(読み方:ローイー)ガラス」に交換すると、断熱・遮熱の性能が高まります。
Low-Eとは、Low Emissivityの略で、低放射率という意味です。
Low-Eペアガラスは、ガラスを特殊な金属(AGCの場合は銀)でコーティングしているため、通常のペアガラスよりも熱を跳ね返す性能が高いです。
【ポイント②】ガラスの厚み
ペアガラスは2枚のガラスに加えて中間層がある分、通常のガラスよりも厚みがあります。
ガラスの厚みの違い |
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・通常のガラス 3㎜~6㎜ ・標準のペアガラス 12㎜(内訳:ガラス3㎜+中間層6㎜+ガラス3㎜) |
通常のサッシの溝は9㎜ですので、幅が12㎜のペアガラスはそのままでは入りません。
既存のサッシに取り付けるには、サッシや窓枠ごとの交換か専用のアタッチメントが必要です。
サッシや窓枠ごとの交換となるとリフォームとなり高額になってしまうことがありますので、アタッチメントを選ぶことになるのですが、そうなると今度は網戸を動かせなくなってしまうことがあります。
スリムなペアガラスなら既存のアルミサッシでOKなのですが、その分価格が高くなります。
ペアガラスに交換するならこの8種類から選ぶ!
AGCには次の8種類のペアガラスがあります。
種類 | 特徴 | 断熱・遮熱性 | アタッチメント |
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ペアガラス | 2枚のガラスの間に中間層がある断熱性・遮熱性・結露低減効果能あるガラスで、厚みは18㎜ | △ | 要 |
ペアガラス(スリムタイプ) | 通常のペアガラスよりも8㎜と薄いが、空気よりも熱伝導率の低いクリプトンガスを入れており、機能は通常のペアガラスと同等 | △ | 不要 |
Low-Eペアガラス | 特殊な金属膜(Low-E膜)をコーティングしたガラスで、通常のペアガラスよりも断熱性・遮熱性が高く、厚みは18㎜ | 〇 | 要 |
Low-Eスリムペア | 特殊な金属膜(Low-E膜)をコーティング+熱伝導率の低いクリプトンガスを入れたスリムなペアガラスで、厚みは8㎜ | △ | 不要 |
トリプルガラス | 3枚のガラスと2つの中間層があることで、通常のペアガラスよりも断熱性・遮熱性が高く、厚みは33㎜ | 〇 | 要 |
Low-Eトリプルガラス | 特殊な金属膜(Low-E膜)をコーティングしたトリプルガラスで、断熱性・遮熱性が高く、厚みは33㎜ | ◎ | 要 |
セキュリティー(防犯ペアガラス) | 合わせガラスを使用したペアガラスで、厚みは20㎜~ | 〇 | 要 |
スペーシア(真空ガラス) | 2枚のガラスの間が真空になっているペアガラスで、水筒の魔法瓶のように高い断熱性と防音性を持ち、厚みは6㎜ | ◎ | 不要 |
具体的な費用は後程ご案内しますが、下に行くほど価格が高くなりますので、予算と必要な機能を比較検討して選ぶことになります。
できるだけでリーズナブルに、最適なペアガラス(複層ガラス)にするには、実績の豊富さや対応できるメーカー数を考えてガラス交換業者を選ぶ必要があります。
例えば、ガラスお助け本舗では、年間5万件のガラス交換実績がありますし、AGCのペアガラスやLIXILやYKK APをはじめとした国内の全てのメーカーの複層ガラスに対応しています。
見積もりだけでもOKですので、一度気軽に相談してみてください。
ペアガラスの交換はDIYできる?失敗しないためには…
ペアガラスの交換をDIYできるかどうかは、次の条件を満たしている必要があります。
ペアガラスの交換をDIYでする条件 |
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【条件①】窓枠からサッシを簡単に出し入れできる 【条件②】サッシから簡単にガラスを外すことができる 【条件③】ペアガラスがサッシに簡単に収まる |
あなたのご自宅の窓がこれらの条件にあてはまるなら、ペアガラスを購入すれば交換することができます。
交換の手順のイメージはこちらの動画で付けていただけます。
動画で案内しているペアガラスを交換する手順は次の通りです。
ペアガラスの交換「DIYの手順」 |
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【手順①】窓枠からサッシを取り出す 【手順②】サッシからガラスを取り出す 【手順②】ペアガラスの大きさと厚さを測る 【手順③】新品のペアガラスを購入する 【手順④】サッシを分解してペアガラスを取り出す 【手順⑤】購入したペアガラスにゴムパッキンを巻き付ける 【手順⑥】サッシを組み立てる 【手順⑦】窓枠に戻す 【手順⑧】確認のために窓を開け閉めする |
プラスドライバーがあればDIYできます。
ガラスだけでなくサッシごと交換する場合の手順は次の通りです。
サッシごと交換する場合のDIYの手順 |
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【手順①】サッシを取り外してサイズを測る 【手順②】窓枠に合うサッシ付きペアガラスを購入 【手順③】古いサッシを上に持ち上げるようにして窓枠から外す 【手順④】購入したサッシを窓枠の上部にはめ、次に下部をはめる 【手順⑤】確認のために窓を開け閉めする |
なお、DIYすると補助金の対象外となってしまいます。DIYでペアガラスの交換をしても補助金は得られませんのでご注意ください。
また、ペアガラスの購入には次のような情報が必要です。
ペアガラスの購入に必要な情報 |
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ガラスのサイズや厚みの正確な数値 ペアガラスの種類 |
ガラスのサイズを正確に測るのは簡単ではありません。サイズを間違えて注文しても返金してくれません。
ペアガラスは通常のガラスよりも高額ですので、失敗しないためには、プロの業者にお任せすることをおすすめします。
ペアガラスの交換料金を解説!
ペアガラスの料金表とプロに依頼した場合のペアガラスの交換費用をご案内します。
ペアガラスの料金表(目安)
ガラスの種類 | 価格(90cmx90cm) |
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通常のガラス | 10,000円~25,000円 |
ペアガラス(標準) | 15,000円~35,000円 |
ペアガラス(スリムタイプ) | 20,000円~65,000円 |
Low-Eペアガラス | 25,000円~80,000円 |
Low-Eスリムペア | 50,000円~100,000円 |
トリプルガラス | 50,000円~100,000円 |
Low-Eトリプルガラス | 50,000円~100,000円 |
セキュリティー(防犯ペアガラス) | 70,000円~150,000円 |
スペーシア(真空ペアガラス) | 80,000円~150,000円 |
料金は、ペアガラスの種類やサイズによって変わります。それにガラスだけでなくサッシごと取り替えるかどうかによっても変わります。
このあたりは、ガラス交換業者と相談しながら決めてみてください。
ここまでにご案内した情報をざっくりと把握してメモを取った上で相談すると、よりスムーズですよ。
ペアガラス交換の料金表(ガラスのみ交換)
項目 | 費用 |
---|---|
ペアガラス(標準) | 15,000円~35,000円程度 |
出張料 | 3,000円~8,000円程度 |
作業代 | 8,000~15,000円程度 |
合計 | 26,000円~58,000円程度 |
ガラスの料金に加えて、交換にかかる工賃(出張料+作業代)が発生します。
ペアガラスの工賃の相場は12,000円~ですが、家の窓の仕様や業者によって異なります。
中には悪質な業者もいます。
例えば、見積もりに「ガラス交換一式」と雑な記載がされている場合は、施工も雑なことがありますので避けてください。
見積もり後に追加で費用が発生するようにしている業者もいますので、見積もり以外にかからないかを確認してください。
悪質な業者を避けるために、必ず複数の業者に見積もりを依頼することをおすすめします。
また、どんなに高い技術や豊富な実績があっても、万一のトラブルが発生することがあります。
そのような場合に備えて、賠償責任保険についての説明や書類への記載があるかないかも必ずチェックしてくださいね。
なお、ガラスお助け本舗は、「請負業者賠償責任保険」に加入していますので、万一のことがあった場合は、修理費用を負担しています。
ペアガラスをサッシごと交換する場合の料金
サッシ交換にかかる料金の目安は約10万~20万円です。
アルミ製のサッシでは結露を完全に防げないため、補助金を利用して、結露しにくい樹脂素材のサッシや窓枠に入れ替えをする方もいます。
「実質0円に!?」ペアガラスの交換費用を安くする2つの方法
ペアガラスの交換費用を安くする2つの方法 |
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【方法①】断熱窓のリフォーム補助金を利用する 【方法②】保険を利用する(※ペアガラスが割れた場合) |
ペアガラスの交換費用を安くする方法は2つあります。
それぞれ詳しくご案内していきます。
【方法①】断熱窓のリフォーム補助金を利用する
国の二重窓・断熱窓のリフォーム補助金 |
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【その①】こどもみらい住宅支援事業 【その②】既存住宅における断熱リフォーム支援事業(旧・断熱リノベ補助金) 【その③】長期優良住宅化リフォーム推進事業 |
国の二重窓・断熱窓のリフォーム補助金は3つあります。
例えば、【その②】の「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」では、一定の省エネ効果(15%以上の向上)が見込めるリフォームを行なった場合、一世帯につき国が最大120万円の補助金を出してくれます。
この他にも、お住まいの地域で独自の補助金制度があるかもしれません。
より詳しくはこちらの「【2022年版】二重窓のリフォーム補助金を解説!獲得するには…?」をご覧になってみてください。
なお、自分で交換をした場合や登録業者以外が施工すると補助金は出ませんので注意が必要です。
【方法②】保険を利用する(※ペアガラスが割れた場合)
ペアガラスが割れてしまったら、火災保険が適用されて、実質ゼロ円で交換できる可能性があります。
火災だけでなく、「熱割れした」「台風でガラスが割れてしまった」「物が飛んできてガラスがヒビ割れた」といった内容も火災保険の対象ですので、何かあれば、加入している保険の相談窓口に連絡をしてみてください。
この他にも家財保険やクレジットカードの付帯・特約保険があれば、交換費用が実質ゼロ円になる可能性があります。
保険を適用する場合、見積書や領収書が必要な場合がありますので、取っておいてくださいね。
ペアガラスの交換やその費用についてのまとめ
このページのまとめ |
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・ペアガラスに交換するならある程度の情報は持っておく ・ペアガラスの交換をDIYするには条件を満たす必要がある ・ペアガラスの交換をプロに依頼するなら業者選びが大事 |
ペアガラスは複層ガラスの一種で、様々な種類があり、交換前に知っておくべきことが多いです。
通常のガラスよりも金額が高いので、間違って注文したり、割ってしまったりといったリスクを考えると、DIYはおすすめではありません。
業者はピンキリですので、住宅用の全メーカーに対応していたり、支払い方法の種類が豊富なところに依頼するようにしてください。
ガラスが割れて交換する場合は、保険が適用できれば実質ゼロ円で交換できる可能性がありますので、そのあたりに詳しい業者に連絡を取るようにしてください。