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防犯ガラスで後悔しないために設置前に知っておきたい本当の話

「防犯ガラスに交換したいけど、価格ってどれぐらい?」

「防犯ガラスを設置して後悔するのはどんなケース?」

防犯ガラスの設置をお考えの方は、このようなことをお考えではないでしょうか。

「近所に空き巣が入った!」「治安の悪化のTVニュースを見た」などがきっかけで、防犯ガラスに交換する人が増えてきています。
特に最近はトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)のニュースなども目にすることが多くなり、防犯ガラスへの関心が高まっています。

この記事では、防犯ガラスの価格、設置して後悔したケースを分かりやすくご紹介するので、参考にしてください。

防犯ガラスを設置して後悔するケースとは?

防犯ガラスで後悔するケース

・防犯ガラスの性能が期待外れだった
・防犯性能のないガラスを設置してしてしまった
・防犯ガラスの設置方法が不十分だった
・補助金を使わなかった

防犯ガラスは、住宅の安全性を高めるために有効な手段とされていますが、選び方や設置方法を誤ると「思ったような効果が出なかった」と感じてしまうことがあります。
また、防犯ガラスの性能に過大は期待をすることがあるため、正確に理解することが大切です。

ここでは、実際に防犯ガラスを導入した人がどのような点で後悔することが多いのかをまとめました。

防犯ガラスの性能が期待外れだった

防犯ガラスの定義

まず、防犯ガラスとは、防犯フィルムが挟み込まれた合わせガラスのことであり、強化ガラスや網入りガラスは防犯ガラスではありません。
ガラスに厚みがあるから、または、中にワイヤーが入っているから、といった理由で防犯性能が高いと勘違いする方がいますが、間違えないようにしましょう。

勘違いしやすい理由として、強化ガラスを使った防犯ガラス、網入りガラスを使った防犯ガラスなど、高機能の窓用ガラスを使った新築住宅が多いことがあります。

また、防犯ガラスは、製品グレードがあり、「打ち破り」と「こじ破り」の2つの試験により性能基準が定められています。
「打ち破り」とは、「破壊音をあまり気にせずにガラスを破壊し、住民や警備員などが駆けつける前に数分で目的を達成しようとする」侵入方法、
「こじ破り」とは、「ドライバーなどで音を出さないようにガラスを破壊し、まわりに気づかれないよう密かに侵入しようとする」侵入方法です。

一般社団法人板硝子協会で、防犯ガラスの定義も出されているため、窓ガラスの防犯性能を重視する方は必ず「防犯ガラスを設置してください」とガラス業者やハウスメーカーに伝えましょう。
「ガラスの防犯性能に関する板硝子協会基準」

防犯ガラスの性能

防犯ガラスの性能は「侵入を5分遅らせることが期待できる」というものです。
これは、侵入を5分遅らせることができれば、70%以上の侵入者が諦めるという統計に基づきます。
つまり絶対的に侵入を防げるものではないのです。

「防犯ガラスを設置したのに空き巣に入られた」ということを聞き、防犯ガラスに意味がないと感じる方もいらっしゃるようですが、それは過大な期待というものです。

防犯ガラスの強度はフィルムに依存する

防犯ガラスも数多く商品があるため、迷われる方が多いようですが、防犯性能に限っていえば防犯フィルムの厚さが全てです。
外側内側のガラスの厚さが3mmの防犯ガラスの場合、防犯フィルムが30ミル(mil)、60ミル、90ミルと厚くなるつれ強度が高まると考えて問題ありません。

防犯フィルムが15ミルの比較的安価な商品もありますが、板硝子協会基準に照らすと、「防犯ガラス」の定義には該当せず、期待外れとなる可能性があります。

CPマークなどの商標マークって何?

また、防犯ガラス「CPマーク」「P2A」などの表示を確認しておくと安心でしょう。

CPマークは「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」の統一共通商標マークです。
防犯の専門家たちが様々な侵入手法のテストを実施し、合格した商品を 「防犯性能の高い建物部品目録」として認定・公表しています。
試験を合格する必須条件は、「想定される空き巣手口に関し5分以上耐えられること」であるため、高い防犯性能が期待できます。

防犯性能のないガラスを設置してしてしまった

既に記載しましたが、強化ガラス、網入りガラスを防犯性能があると勘違いしている方が一定数います。

強化ガラスは、割れたときにガラスが細かい粒上に砕けるため安全性が高く、網入りガラスは、火災時にガラスの飛散を防ぐ役割があり、それぞれ、防犯性能を期待することはできません。

また、防犯ガラスを使った複層ガラスなどもあるため、ペアガラスやLow-e複層ガラスのすべてに防犯性能が付与されていると思われる方も多くいます。

「防犯ガラスで後悔」というより、厳密には防犯性能があると勘違いしたというケースではありますが、このような後悔をしないよう、防犯を重視される方は必ず「防犯ガラスを設置してください」と、ガラス業者やハウスメーカーに伝えるようにしましょう。

防犯ガラスの設置方法が不十分

防犯ガラス本来の性能を十分に発揮させるには、家全体の防犯を考慮した設置方法が非常に重要です。

たとえば、一部屋だけ防犯ガラスを設置しても、別の部屋の窓が単板ガラスであれば、意味が乏しくなります

防犯を重視する場合、信頼できるガラス業者や工務店に相談し、家全体の防犯性能を高めるような工夫が必須です。
よくある例は、シャッター、面格子のない窓だけを防犯ガラスにする、というケースです。
シャッターを設置するのはコストがかかり、面格子をつけるのは景観を損ねると感じる方が多くいるため、バランスのよい設置方法だといえます。

補助金を使わなかった

窓ガラスの交換や内窓の設置、リフォームなどでは、一定の条件を満たせば補助金が支給されるケースがあります。

窓ガラスの補助金で多くの方がご存知の先進的窓リノベ事業は、複層ガラスへの交換、内窓設置の対して補助金が出る設計となっています。
つまり、複層ガラスへの交換費用の一部を補助金で賄える可能性があるため、コストを抑えて防犯複層ガラスへ交換したい方は、補助金の要件を確認しましょう。

一方で、先進的窓リノベ事業は、あくまで断熱性能の向上が趣旨であるため、防犯性能の向上に対する差額、具体的には、Low-e複層ガラスと防犯Low-e複層ガラスの価格の差分は補助金支給の対象とはならないというデメリットがあります。

この点東京都では、防犯性能向上部分にも補助を出す制度があります。
よりお得に防犯ガラスを設置したい方は、お住いの自治体の補助金を確認してみましょう。
(令和7年度)既存住宅における省エネ改修促進事業

防犯ガラスの価格相場

防犯ガラスは高機能なガラスのため、単板ガラスや網入りガラスと比べ、割高になります。

以下、腰高窓のガラスの大きさ、900mm×900mmのガラス価格の比較表です。

  価格
(900mm×900mm)
単板ガラス
(厚さ 3mm)
10,000円~+税
網入りガラス
(霞ガラス 厚さ6.8ミリ)
18,000円~+税
防犯ガラス
(ガラス厚さ3mm フィルム30ミル)
22,000円~+税
防犯ガラス
(ガラス厚さ3mm フィルム60ミル)
26,000円~+税
防犯ガラス
(ガラス厚さ3mm フィルム90ミル)
30,000円~+税
複層ガラス
(Low-E ガラス)
26,000円~+税
防犯複層ガラス
(ガラス厚さ3mm フィルム30ミル)
43,000円~+税

なお、ガラス業者に交換を依頼する場合は、上記のガラス本体の価格に、基本料金や部材代金が加算されます。
基本料金は4,000円前後+税、パッキン(グレチャン)交換費用は1mあたり550円~+税が相場です。

防犯ガラスへの交換を検討されている方は、是非参考にしてください。

防犯ガラスと他の防犯対策の比較

防犯ガラスの設置以外にも、防犯対策にはさまざまな方法があります。

ここでは、防犯ガラスと他の一般的な防犯手段を比較し、それぞれの特徴や効果についてご紹介するので、参考にしてください。

窓の防犯対策

窓の主な防犯対策主は、シャッター、面格子の設置があります。

シャッターは防犯効果が非常に高い一方でコストが割高という特徴があります。

面格子は、外観から侵入への心理的ハードルが高まりますが、音を気にしなければバールなどで強引に破壊することができます。
また、景観を損ねると敬遠される方が多くいます。

既に記述しましたが、窓の防犯対策は、一箇所だけすれば良いものではなく、シャッター、面格子などを組み合わせながら、必要に応じて防犯ガラスを設置することをおすすめします。

防犯カメラ/センサーライト

防犯カメラやセンサーライトなども、有効な防犯対策として広く使われています。

視覚的に侵入者にプレッシャーを与え、抑止力として期待できる一方で、侵入そのものを物理的に防ぐことは難しいという点は考慮しなければなりません。

一方、防犯ガラスは、ガラス破りを5分遅らせることにより、侵入を諦めさせるという、物理的侵入を防ぐ機能が期待できます。

侵入による犯罪から身を守りたい場合には、防犯カメラやセンサーライトによる抑止力と、侵入を困難にする防犯ガラスを組み合わせることが効果的といえるでしょう。

防犯ガラスで後悔しないためのチェックリスト

チェックリスト

防犯ガラスは、空き巣や侵入被害を防ぐための重要な設備といえます。

とはいえ、選び方や設置場所を間違えると期待する効果が得られず、また、高いコストを払うこととなり、後悔につながります。
ここでは、後悔しないためのチェックポイント3つご紹介しますので、参考にしてください。

防犯ガラスで後悔しないためのチェックリスト

・防犯性能の確認
・設置場所を検討する
・予算とコストパフォーマンスを意識する

防犯性能の確認

すでに説明したとおり、防犯ガラスの性能にはグレードがあり、そのグレードは防犯フィルムの厚さにより異なります。
一般住居であれば、防犯フィルムは60ミル、マンションや商業施設であれば90ミル程度の厚さは欲しいところです。

ただ、注意したいのは、あくまでガラスからの侵入を5分遅らせることが期待できる、というのが、防犯ガラスの基準です。
絶対的な侵入防御はできないため、その点は念頭に置きましょう。

なお、防犯性能がない、強化ガラス、網入りガラスを防犯目的で設置しないように注意してください。

また、日本では、防犯性能の高い製品に「CPマーク」が付与されています。
商品の種類が多すぎて分からないときは、CPマークがあるものを選択すると間違いないでしょう。

設置場所を検討する

ひとつの窓だけ防犯ガラスにしても意味が乏しいといえます。

また、すべての窓に防犯ガラスを取り付けることは、効果とコストのバランスが良くないかもしれません。

寝室はシャッターを設置する、侵入しずらい狭い窓は網入りガラスにする、そして、1階の掃き出し窓やベランダに面した窓などリスクが高い箇所に防犯ガラスを設置する、というバランスを考慮した設置が効果的です。

ひとつの部屋、ひとつの窓ではなく、家全体の防犯性能を意識することが重要です。

予算とコストパフォーマンスを意識する

防犯ガラスの価格は、種類や性能によって幅があり、また、断熱性能のある複層防犯ガラスなど高価な商品もあります。

何を重視するのかを整理して、経済的かつ効果的に防犯ガラスを設置することが、賢い選択といえます。

また、コストパフォーマンスを意識するという意味では、後づけの防犯フィルムを貼るということも良いアイデアです。
CPマークのある590mm×420mmのシートが2枚入った商品で、6,000円~7,000円で購入できます。
防犯フィルム CPマーク CP認定 透明 窓ガラス 防犯 シート 剥がせる 賃貸 ステッカー付 SEC-1260 590×420mm 2枚入

自分で貼り付けるのは難しいですが、コストを重視する方にはおすすめです。

まとめ

防犯ガラスで効果しないためのポイントまとめ

・防犯ガラスの性能は防犯フィルムの厚さによってグレードが分かれる
・強化ガラスや網入りガラスは防犯ガラスではないため注意が必要
・一般家庭用であれば、ガラス厚さ3mm フィルム60ミルのものであれば、防犯性能として十分
・防犯性能とは絶対的なものではなく、侵入を5分遅らせることが期待できるということを念頭に置く
・家全体の防犯を考慮することが重要

防犯ガラスに関する後悔は、防犯ガラスへの正しい理解の欠如、過大な防犯ガラスへの期待などに起因しています。

また、防犯性能に期待して、強化ガラスや網入りガラスを設置した場合、侵入対策にはならないため、後悔することに直結します。

家全体の防犯性能を考え、適切な商品選びをすることが、防犯性能を高め、安心できる生活を手にする第一歩です。

  • この記事を書いた人

ガラスお助け本舗編集部

ガラスお助け本舗編集部は、
生活トラブルにおけるガラスの情報を発信する専門チームです。

「ガラスのトラブルを解決したい」という強い思いのもと、
現場で得た知識や経験を活かし、
ガラスの専門家から寄せられた意見も参考にしながら、
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