「窓ガラスにヒビ割れが、、、暑いから?」
「暑さで窓ガラスって割れるの?」
窓ガラスは暑さが原因でヒビが入ったり、割れたりすることがあります。
この記事では、暑さで窓ガラスが割れる原因や割れた場合の対策をご案内しています。

目次
暑さで窓ガラスが割れるのは熱割れが原因

熱割れとは、熱による膨張する力の差がガラスに作用し、ヒビが入ったり割れたりすることを指します。
夏の外気の暑さで温められたガラス表面と、サッシなどで隠れたガラスとの温度差によって割れることが原因です。
つまり、夏の暑さで窓ガラスが割れることはあります。
割れ方は、ガラスの端から端までやや蛇行しながら1、2本のヒビが入ることが特徴です。
なお、物が当たった場合は、衝撃を受けた部分から放射状に細かいヒビが無数に入ります。
夏の暑さによる熱割れのメカニズムは次の通りです。
熱割れのメカニズム
夏に外気で温められた外側のガラスと、冷房などで冷やされた内側のガラスやサッシの中に隠れているガラスには、温度差が生じます。
この温度差で、窓ガラスに引張応力(ひっぱりおうりょく)が発生し、ガラスの強度が耐えきれずに割れることがあります。
※引張応力とは、ガラスなどの物体が外からの力により引っ張られて伸びるときに、物体の内部に生じる力
特に、網ガラスは膨張率の異なる金属製の網とガラスとの間で歪みが生じやすいため、注意が必要です。
暑さで窓ガラスが熱割れする4つの原因
熱割れが起きる4つの原因
① 室内外の温度差
② 熱耐性のないガラス
③ 取り付け不良
④ ガラス表面の汚れや傷
次に、夏の暑い日に、熱割れが起きやすい原因について、順番に解説していきます。
【原因①】室内外の温度差

近年の厳しいの夏の暑さにより、外気温は高く、室内は冷房で冷えていることが多く、ガラスの外側と内側の温度差が大きくなり、熱割れが発生しやすくなっています。
特に猛暑日には、外側と内側のガラスの温度差が大きくなるため、暑さによる窓ガラス、中でも網入りガラスの熱割れの問い合わせが増える傾向にあります。
次のような状況では、熱割れのリスクが更に高くなるので、対策を講じることをおすすめします。
熱割れのリスクが高いケース
・カーテンやブラインドが窓ガラスに密着している
・ガラスフィルムを貼り付けている
カーテンやブラインドがガラスに密着していると、熱がこもり、熱割れが起こりやすくなるため、直接触れないように設置位置を調整すると良いでしょう。
ガラスフィルムを貼り付けている場合、ガラスとフィルムの収縮の差により割れやすくなります。
剥がして支障のないものであれば、猛暑日には外しておいた方が無難でしょう。
【原因②】熱耐性能がないガラス

熱耐性能がないガラスも、夏の暑い日には熱割れが生じる可能性があります。
日当たりが良く、温度差が生じやすい場所には、耐熱性能の高いガラスへの交換を検討しましょう。
【原因③】取り付け不良

取り付けが悪いと割れる理由は、熱膨張のストレスがかかりやすくなるからです。
具体的には、フレームに強く締め付けられて設置されているケースなどが該当します。
通常より熱割れへの耐久度が落ち、割れやすくなっています。
【原因④】ガラス表面の汚れや傷

ガラス表面に汚れや傷があると、熱による膨張が不均一になり、割れやすくなります。
表面をガラスクリーナーで掃除するだけのケアで良いので、熱割れが気になる箇所は、日常的にケアをしておきましょう。

窓ガラスが暑さで割れたら4つの手順で対処しよう!
窓ガラスが熱割れしたときの4つの手順
① 割れた破片を片付ける
② ガムテープなどで補強する
③ 火災保険が適用されるか確認する
④ 専門業者に交換を依頼する
順番に紹介していきます。
【手順①】割れた破片を片付ける

熱割れの場合は、ガラスの破片が飛び散るようなことは原則ないのですが、割れたときに小さなガラス片が落ちることがあります。
床などを良く確認し、破片が落ちている場合には、ガムテープなどで回収すると良いでしょう。
小さいといってもガラス片でケガをすることがあるため、掃除するときは直接触らないよう気をつけましょう。
【手順②】ガムテープなどで補強する

熱割れは、まっすぐ1本か2本程度ヒビが入る割れ方のため、そのままにする方がいらっしゃいますが、
ひびが入った状態をそのままにしておくと、ヒビが大きくなったり、大きな破片が割れ落ちたりするため危険です。
ガムテープのような強度の強いテープ材で、ヒビの上から貼り付けるよう補強するのが、手軽でコストもかかりません。
割れ落ちが気になる場合には、テープ材での補強に加えて、プラスチックシートをガラスの内側に貼り付けるのがおすすめです。
プラスチックシートとは、建築や工作で使われるビニール樹脂製シートのことで、100均やホームセンターで購入できます。
ただし、いずれも応急処置であるため、早期にガラスを交換した方がよいでしょう。
【手順③】火災保険が適用されるか確認する

火災保険に加入されている方は、適用範囲にガラス破損が含まれている可能性があるので、必ず確認しましょう。
賃貸にお住まいの方は、管理会社か大家さんに火災保険の契約内容を問い合わせてください。
【手順④】専門業者に交換を依頼する

ガラス交換はDIYでも対応可能ですが、ガラスの専門業者に依頼すると、早く、キレイに仕上げてくれます。
ガラス代金+作業費用4,000円~5,000円+税で対応できるため、ガラスを購入する手間、失敗するリスク、ケガをするリスクを考慮すると、プロに相談することをおすすめします。
ガラスの種類とサイズで異なりますので、詳しくはこちらの「プロへ依頼した場合のガラス交換料金相場」を参考にしてください。
なお、暑さで窓ガラスが割れた場合には、ヒビがキレイな状態なので、応急処置だけ施しそのままにする方がいます。
一見、危険な状態と見えないかもしれませんが、次のようなリスクがあることを念頭におき、早期に修理することを強くおすすめします。
熱割れした窓ガラスを放置するリスク
・僅かな隙間ができ、エアコンが効きづらくなります
・ヒビは時間とともに大きくなります
・地震など突発的な理由で大きくガラスが割れることがあります
ガラスの専門業者に依頼するときの4つのポイント
業者選びの4つのポイント
② 作業前に見積りを提示してくれるか
③料金は適正であるか
④ アフターフォローがあるか
ガラスが割れた場合、ケガのリスクが一番気になるところです。
早く来てくれる業者を選ぶようにしましょう。
また、料金相場を大きく超えるような業者がいるため、必ず作業前に見積りを提示してもらい、以下の記事を確認して妥当な金額であるか確認しましょう。
「プロへ依頼した場合のガラス交換料金相場」
設置後の不具合などのアフターフォロー対応も、多くのガラスの専門業者が対応しています。
窓ガラスが暑さで割れるのを防ぐ6つの予防法
窓ガラスの熱割れの予防法
① 窓ガラスから物を離して置く
② エアコンの風が直接当たらないようにする
③ カーテンやブラインドは密着しないように取り付ける
④ 定期的にメンテナンスする
⑤ 室外機は窓ガラスから離して置く
⑥ 熱割れしにくいガラスに交換する
年々夏の暑さが厳しくなる日本では、熱割れへの日常的な備えは必須です。
簡単な対策から、熱割れしにくいガラスへの交換まで、幅広くご紹介します。
【予防法①】窓ガラスから物を離して置く

窓ガラスから物を離して置くと、窓と物との間の熱がこもりにくくなります。
もし窓の近くに物を置く必要がある場合は、荷物を高く積み上げないようにし、ガラスに影が落ちて温度差が生じないように配慮するのが良いです。
【対策②】エアコンの風が直接当たらないようにする

窓ガラスに大きな温度差が生じないように、エアコンの風が直接当たらないようにするのも有効です。
エアコンの風が窓ガラスに直接当たると、風が当たらない部分との温度差が大きくなり、熱割れしやすくなります。
風向きを上や下に設定するか、専用の風よけカバーを設置すると良いでしょう。
【対策③】カーテンやブラインドは密着しないように取り付ける

カーテンやブラインドは密着しないように取り付けることで、窓ガラスの付近に熱がこもらないようにします。
取り付ける場合は、窓ガラスから15cm以上離すと効果的です。
【対策④】定期的にメンテナンスする

定期的に掃除をすることで、傷や汚れがあるか確認して、早めの対処できる可能性があります。
夏や冬は、窓ガラスに傷や汚れが付いていないかチェックし、ガラスの表面をきれいに保ちましょう。
【対策⑤】室外機は窓ガラスから離して置く

室外機を窓ガラスから離して置くことで、熱風で温度差が生じないようにできます。
エアコンの室外機から出る風は高温のため、窓ガラスに当たった部分の温度が上がり、熱割れが生じる可能性があります。
室外機を取り付ける際には、壁を背面にして取り付けること、壁から5cm以上離すことを心がけてください。
【対策⑥】熱割れしにくいガラスに交換する

熱割れしにくいガラスは、「耐熱強化ガラス」や「 Low-E複層ガラス」などがあります。
網入りガラスは熱割れしやすいため、夏場の暑さによる熱割れが気になる方は、これらのガラスへの交換をおすすめします。
ただし、防火地域や準防火地域では防火性能のあるガラスの設置が必須です。
最近では、パイロクリアのように、ワイヤーがはいっていない防火ガラスも出ています。
日本板硝子「パイロクリア」
窓ガラスが暑さで割れるに関するまとめ
このページのまとめ
・暑さで窓ガラスが割れる原因は4つある
・窓ガラスの熱割れを防ぐには6つの対策がある
・一見危なくなさそうでも熱割れしたガラスは早期に交換したほうが良い
亜熱帯化しつつある酷暑の日本では、今後、熱割れするケースが増えることが想定されます。
もし、窓ガラスが熱割れしてしまったら、放置するのではなく、プロに早期の修理交換を依頼しましょう。
