「自分の家の窓を二重窓にしたいけど、工事費用が高いから後悔したくない...」
「二重窓って、本当に効果があるのだろうか?」
このような事でお悩みでははないでしょうか?
二重窓・内窓の設置にかかる費用は、一箇所あたり3万~15万円くらいと、決して安いものではありません。
事前にしっかりと調べて、失敗したくないと思うことは当然です。
この記事では、二重窓にした人がどんなことで後悔・失敗したと感じているのかをご案内しています。
しっかり確認し、二重窓・内窓設置のための判断材料にしてください。
目次
二重窓・内窓とは?ペアガラスとの違いを解説
二重窓・内窓とは?メリットはどのようなものがあるか

二重窓とは、既存の窓(外窓)の内側(室内側)に取り付ける窓のことです。内窓(うちまど)とも呼ばれます。
二重窓・内窓にすることで得られるメリットは次の通りです。
二重窓・内窓にするメリット
・断熱性の向上
・冷暖房効率の向上(省エネ・光熱費削減)
・防犯性能の向上
・防音効果の向上
まず、窓が二重になることで、外からの冷気や熱気を遮断する効果が期待できます。
これに付随して、室温の一定に保ちやすくなるため、結露の発生も軽減できるケースがあります。
また、家の中の冷暖房の効果が、外に漏れにくくなるため、冷暖房効率も良くなります。
電気代、ガス代の節約に繋がり、経済的なメリットが得られるでしょう。
さらに、窓ガラス、鍵の数が増えるため、防犯性能の向上します。
防犯上、侵入に手間がかかるほど、空き巣などのリスクは軽減されるといえます。
実感される方が多いのが、防音効果です。
実際に、LIXILのインプラスという二重窓(内窓)では、騒音が10dB(デシベル)下がるの効果を得られるとのデータがあります。

ペアガラスとの違い

二重窓と勘違いされることが多いのがペアガラスです。
ペアガラスは、大手ガラスメーカーAGCの登録商標の複層ガラスのことを指します。
ペアガラス、複層ガラスは、通常のガラスと変わらない1枚のガラスような外観となっています。
ペアガラスについてはこちらの「ペアガラスの交換費用やDIYの方法」にて確認してください。
二重窓にして後悔する5つのパターン
二重窓にして後悔する5つのパターンをまとめました。
二重窓にして後悔する5つのパターン
①思ったほどの効果を実感できない
②想定していたより高くついた
③窓の開け閉めが面倒になった
④掃除の手間が増えた
⑤狭さを感じるようになった
①思ったほどの効果を実感できない

断熱効果について、思ったほどの実感できない場合があります。
これには、
・二重窓の機能比較をしっかりせず、断熱性能の不足があった
・二重窓の設置箇所が少なく、十分な効果を得られなかった
などの理由が考えられます。
二重窓は、製品の種類が豊富で、性能にも差があるため、自身の住宅にあったものを選択しなければ、想定していた効果を実感できないことがあります。
また、二重窓は一箇所だけ設置しても、他の窓からの外気の影響により、部屋全体または家全体の断熱性能が上がりません。
さらに、予算が高いからといって、機能が劣る製品を設置したり、設置箇所を限定的にする方がいます。
これでは、コストがかかるのに、効果を得ることができないといった、非常に勿体ない顛末になりかねません。
二重窓の性能を最大限活かすため、リフォーム業者、工務店などと事前相談を行い、自身の家にあった計画的な設置工事を行いましょう。
②想定していたより高くついた

二重窓・内窓の設置工事が、想定していた予算より高くなったというのは、よくあることです。
二重窓・内窓の設置工事の相場は、1箇所3万~15万円くらいですが、十分な効果を得るためには複数箇所に設置しなければならないケースがあります。
当初の予定より多くの箇所の設置を提案され、予算を大幅に超過すると、予想外の支出という大きな後悔に繋がります。
まず、少なくとも、「二重窓にしたい部屋のすべての窓のへの設置工事が必要になる」と念頭に置きましょう。
断熱は部屋単位、家単位で考えなければいけません。
また、工事費用が高いからといって、機能や設置箇所を妥協すると、期待していた効果が得られず、本末転倒の結果となります。
予算には余裕を持ち、事前にリフォーム会社、工務店としっかり相談して進めていきましょう。
③窓の開け閉めが面倒になった

当然ですが、二重窓を設置すると、外気を取り入れるためには、内側と外側の窓の両方を開ける必要があります。
日常的に多く行うことなので、意外と面倒に感じてくる方も多くいます。
特に、高齢の方やお子様がいる方は、顕著に不便さを感じるかもしれません。
④掃除の手間が増えた

日常的に窓ガラスの掃除をする方は、二重窓を設置すると、それまでの2倍のガラスをケアしなければなりません。
お掃除好きの方にとっては、億劫に感じるかもしれません。
⑤狭さを感じるようになった

気にする方とそうでない方で差が出ますが、二重窓・内窓を取り付けると、窓枠の厚みが増す分、部屋が狭く感じます。
特に、窓枠を延長する「ふかし枠」の場合は、カーテンレールの移動も必要になるため、窮屈に感じるかもしれません。
また、窓枠に物を置く習慣のある方は、有効に使えるスペースが減るため、不便さを実感することが多いでしょう。
二重窓・内窓で後悔や失敗をしないための4つのポイント
二重窓・内窓で後悔しないための4つのポイント
①「ガラス交換」と比較検討する
②予算設定を引き上げる
③補助金を活用する
④デメリットを受け入れる
①「ガラス交換」と比較検討する
二重窓・内窓のデメリットの多くは、「二重であること」から由来するものです。
一方、単にガラスを交換すれば、窓の開け閉めが手間になることも、掃除する場所が増えることも、部屋が狭く感じることもありません。
このため、目的がかなうのであれば、二重窓設置ではなく、ガラス交換をしたほうが良いケースも多くあります。
二重窓・内窓を設置したい一番の理由は、断熱性能の向上です。
断熱が目的の場合、Low-Eガラスなどの複層ガラスの交換でメリットを享受できます。
防音効果を高めたいのだれば、防音ガラスという選択肢があります。
防犯性能が気になるのであれば、防犯ガラスに交換すれば、目的は達せられます。
・ガラスとの機能比較
価格 (900mm×900mm) |
断熱 | 防音 | 防犯 | |
---|---|---|---|---|
単板ガラス | 10,000円~+税 | X | X | X |
複層ガラス (Low-E ガラス) |
26,000円~+税 | 〇 | △ | X |
合わせガラス (防音ガラス) |
24,000円~+税 | X | 〇 | X |
合わせガラス (防犯ガラス) |
22,000円~+税 | X | X | 〇 |
二重窓・内窓 | 30,000円~150,000円+税 | 〇 | 〇 | △ |
二重窓に交換して生活の質が落ちるのではないかと心配であれば、ガラス交換を検討しましょう。
②予算設定を引き上げる

二重窓・内窓は、性能により価格に差があります。
また、断熱性能の向上を狙う場合、設置箇所は部屋全体、または家全体など、広範囲に及ぶことがあります。
ここで大切なことは、予算の妥協をしない方が良いということです。
中途半端な製品であったり、設置箇所が不十分であったりすると、「コストをかけたのに効果を実感できない」と、後悔することになりかねません。
部屋、または家全体の断熱性能を高めることが目的であれば、リフォーム会社や工務店としっかり打ち合わせをして、必要に応じて予算を引き上げる心づもりで進めることをおすすめします。
③補助金を活用する

二重窓・内窓は、補助金を活用できるケースがあります。
2025年6月現在「先進的窓リノベ2025」という事業が発効されています。
https://window-renovation2025.env.go.jp/
最大で一戸あたり200万円の補助額となっているため、二重窓・内窓設置を検討中の方は、リフォーム会社や工務店に確認してみましょう。
④デメリットを受け入れる

二重窓・内窓を設置したい場合、以下のような後悔をするようなデメリットがあることは既に説明しました。
【再掲】二重窓にして後悔する5つのパターン
①思ったほどの効果を実感できない
②想定していたより高くついた
③窓の開け閉めが面倒になった
④掃除の手間が増えた
⑤狭さを感じるようになった
このうち、
②想定していたより高くついた、③窓の開け閉めが面倒になった、④掃除の手間が増えた、⑤狭さを感じるようになった、という4点については、回避することが難しく、「どこまで許容することができるか」という内容です。
予算を引き上げることができ、二重窓の窓の開け閉めも苦ではなく、窓の掃除をそこまでの頻度でしない、さらに、内窓設置による多少の圧迫感が気にならない、ということであれば、後悔するようなことはあまりないといえます。
もちろん、①思ったほどの効果を実感できない、ということでは困るので、リフォーム会社・工務店と事前の打ち合わせをしっかりして、どの程度の効果が得られるのかを必ず確認しておきましょう。
二重窓を設置できる業者選びのポイント
二重窓を設置するための業者選びは、以下のポイントを確認してください。
業者選びの4つのポイント
①二重窓だけではなくガラス交換にも対応している
②補助金に対応している
③相場からかけ離れた見積りではない
④納得のいくまで寄り添った相談ができる
①二重窓だけではなくガラス交換にも対応している
二重窓だけではなく、ガラス交換も対応できる業者であれば、幅広い選択肢を提案してくれます。
断熱なのか、防音なのか、それともコストを安く抑えたいのか、目的によってはガラス交換のほうが適切な場合があります。
②補助金に対応している
補助金対応できることも必須事項です。
「できます」という言葉だけを信用するではなく、補助金支給の実績がどのくらいあるかも確認すると良いでしょう。
③相場からかけ離れた見積りではない
また、提示された見積り金額が、相場からかけ離れたものではないこともポイントです。
1窓3万円~15万円が相場なので、これを基準に高すぎないかをチェックしてください。
④納得のいくまで寄り添った相談ができる
最後に、二重窓・内窓設置は暮らしの質に直結するリフォーム工事なので、
納得のいくまで寄り添った相談の対応ができる業者に依頼するようにしましょう。
良い業者は、予算や目的に応じた、柔軟な提案をしてくれるはずです。
二重窓の後悔についてのまとめ
このページのまとめ
・二重窓を設置する前に5つの後悔ポイントを理解しておく
・後悔や失敗を防ぐにはポイントが4つある
・業者選びには4つのポイントがある
二重窓は断熱性能や防音効果が高い一方で、デメリットもあるため、どこまで許容できるかが重要なポイントです。
本記事で解説した後悔や失敗を防ぐポイント、業者選びのポイントを踏まえ、後悔のない窓ガラス選びにお役立てください。