トリプルガラス(サッシ)の6つのデメリットとは?結露や寿命を解説
「トリプルガラス良さそう。価格が高い以外のデメリットを知りたい」
「トリプルサッシでも結露するの?寿命は?」
と考えていませんか?
「断熱効果バツグン!」「電気代を節約できる!」などメリットばかり目にするトリプルガラス(サッシ)ですが、デメリットもあります。
後悔しないよう、交換前に寿命の長さや結露の有無、交換費用をチェックしてください。
目次
- トリプルガラス(サッシ)とは?そのメリット・デメリット
- トリプルガラスとは?
- トリプルガラスの5つのメリット
- トリプルガラスの6つのデメリット(後悔しないためにチェック!)
- 【デメリット①】ガラスの価格が高い
- 【デメリット②】交換に費用がかかる
- 【デメリット③】結露することがある
- 【デメリット④】寿命が短い
- 【デメリット⑤】重い
- 【デメリット⑥】防犯性は無い
- トリプルガラス(サッシ)の交換費用を徹底解説
- サッシを購入してDIYで交換する場合の費用
- トリプルガラスへの交換をプロに依頼した場合の費用相場
- トリプルガラスへのリフォーム
- トリプルガラスの費用対効果を算出する3つのカギ
- トリプルガラスのデメリットや寿命・結露に関するまとめ
トリプルガラス(サッシ)とは?そのメリット・デメリット
トリプルガラス(サッシ)に交換する前に、まずはトリプルガラスについてある程度の情報を持っておくことをおすすめします。
トリプルガラスとは?
「トリプルサッシ」「三重サッシ」「三重ガラス」などとも呼ばれるトリプルガラスは、次のようなガラスです。
トリプルガラスの理解を早める3つのポイント |
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①通常のガラスの約4~6倍の断熱性がある ②3枚のガラスの間にある2つの層(空間)に気体を入れている ③気体は空気、クリプトンガス、アルゴンガスの3種類 ※1層が真空の真空トリプルガラスもある |
トリプルガラスは、3枚のガラスでできており、断熱性が高く、北海道や東北、北陸など、積雪期間が長く、年平均気温が低い寒冷地で利用されています。
ガラスには普通のガラス(フロートガラス)だけでなく、断熱効果の高いLow-E(ローイー)ガラスを使うことがあります。
ガラスとガラスの間の層には空気や断熱効果のあるガス(クリンプトンガス・アルゴンガス)を入れますが、1層が真空のものもあります。
断熱性能は ①真空 > ②クリンプトンガス > ③アルゴンガス > ④空気 の順に高いです。
代表的なメーカーのトリプルガラス(サッシ)は次の通りです。
・代表的なメーカーのトリプルガラス(サッシ)
メーカー | 商品名 | 厚さ (ガラス+中間層+ガラス+中間層+ガラス) |
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YKK ap | APW 430 | ・41mm |
LIXIL | エルスターX | ・33.3mm(クリプトンガス) ・37.3mm(アルゴンガス) |
ハイブリッド窓TW | ・27.3mm(クリプトンガス) ・35.3mm(アルゴンガス) |
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エクセルシャノン | トリプルシャノンⅡx | ・39mm |
三協アルミ | トリプルスマージュⅡ | ・33.3mm(クリプトンガス) ・37.3mm(アルゴンガス) |
ガラスをLow-Eガラスにしたり、層を真空にしたりすると断熱効果は高まりますが、断熱性を高めれば高めるほど価格は高くなってしまいます。
ただ、断熱窓にするともらえる補助金があり、利用すると費用の1/3が戻ってきますので、検討してみてください。
2023年の最新の補助金についてはこちらの「2023年最新!二重窓(内窓・断熱窓)のリフォーム補助金」でご確認ください。
トリプルガラスの5つのメリット
トリプルガラス(サッシ)の5つのメリット |
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①断熱性が高い(寒さや暑さの解消) ②省エネできる(夏・冬) ③結露が発生しにくい ④防音効果がある ⑤補助金がある |
一番のメリットは断熱性が高いことです。
トリプルガラスの断熱効果を「熱貫流率(熱の通しにくさ)」でみると、通常のガラスの約6倍、ペアガラス(複層ガラス)の約1.5~3倍あります。
・ガラスの熱貫流率の比較
ガラス | 熱貫流率 |
---|---|
普通のガラス | 5.7~6.0W/㎡・K |
ペアガラス | 1.4~3.4W/㎡・K |
トリプルガラス | 0.9~1.13W/㎡・K |
※熱貫流率が低ければ低いほど断熱性が高い
冬の寒さだけでなく夏の暑さも防ぐため、エアコン代を節約できます。
冬の寒さが厳しい地域で、単版ガラスからトリプルガラスに換えると、こちらのように年間10万円ほど暖冷房費に差が出ることがあります。
※249,940円(単版ガラス) – 146,828円(トリプルガラス) = 103,112円(年間の暖冷房費の差額)
暖冷房費はこちらのエコガラス省エネシミュレーションで簡単に算出できますので利用してみてください。
ここまでの差があると、長期的には「あの時、トリプルガラスにしておけば…」と後悔してしまう可能性があります。
この他、外気との温度差が生じにくいので結露しにくい、防音性が等級2~3と高いといったメリットがあります。
トリプルガラスの6つのデメリット(後悔しないためにチェック!)
トリプルガラス(サッシ)の6つのデメリット |
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①ガラスの価格が高い ②交換費用が高い ③結露することがある ④寿命が短い ⑤重い ⑥防犯性は無い |
「交換して失敗したっ!」などと後悔しないために、デメリットについて詳しくご案内していきます。
【デメリット①】ガラスの価格が高い
単板ガラスや複層ガラスに比べると、ガラスが三重で構造が複雑なため、価格は高いです。
ガラスだけを購入すると次のような金額になります。
ガラスの種類 | 金額(90㎝ x 180cm) |
---|---|
フロートガラス | 1万~2.5万円 |
ペアガラス | 1.5万~8万円 |
トリプルガラス | 5万円~10万円 |
※付加する機能によってガラスの価格は高くなります
フロートガラス(普通のガラス)の約5倍~、ペアガラスの約3倍~も金額に違いがあります。
「ペアとトリプル、どっちを選べば…?」という方は、こちらのペアガラスとトリプルガラスの比較動画をチェックしてみてください。
室温が23℃のときに、それぞれのガラスの表面温度が違うことが分かります。
断熱するならトリプルガラスの方がいいのですが、とはいえ、全ての窓を換えると相応の費用がかかってしまいます。
多くの方はペアガラスと使い分けたり、補助金の利用を検討したりしています。
補助金についてはこちらの「国の3つの二重窓・断熱窓のリフォーム補助金を解説!」をご覧ください。
【デメリット②】交換に費用がかかる
単板ガラスからトリプルガラス(サッシ)に交換をする場合、厚みが増すため、既存の窓枠やサッシは使用できません。
DIYではできず、窓枠ごとの工事が必要のため相応の費用がかかります。
具体的な費用についてはこちらでチェックしてください。
住んでいる地域の冬の寒さが-5℃度程度の場所なら、「高い費用をかけた割に、それほど節電効果を感じなかった」「ペアガラスにしておけばよかった」と後悔してしまうことがあります。
この辺りは事前にガラス交換業者に相談をしてみてください。
【デメリット③】結露することがある
トリプルガラスは結露しにくいですが、絶対にしないわけではありません。
まず、車のガラスが結露するように、外部結露をすることがあります。
それに、カーテンや家具の配置などが原因でトリプルガラスが冷えると、室内でも結露をすることがあります。
厄介なのはガラスとガラスの間の層が結露する内部結露です。
内部結露は、パッキンやサッシを通じて中に入りこんだ水分が太陽の光で温まり、水蒸気となってガラスとガラスの層に入り込むことで起こります。
この場合は交換するしかありません。
窓ガラスの結露のメカニズムや原因についてはこちらをご覧ください。
参考)AGC「複層ガラスの内部結露とは?」、ガラス・中空層で結露する原因
【デメリット④】寿命が短い
トリプルガラス(サッシ)の寿命は10~30年といわれています。
国内ではYKKapのトリプルガラス「APW 430」が2014年に登場したばかりで、まだ寿命は来ていませんが、AGC(旭硝子)の複層ガラス「サンバランス」は1993年に登場しています。
その劣化具合から、次のようなことに影響を受けると考えられます。
トリプルガラスの寿命に影響を与える要素 |
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・パッキンの劣化 ・ガスの抜け ・雨水 ・紫外線 ・施工の内容 ・使用状況 ・ガラス自体の重さ ・自然災害によるダメージ |
窓のパッキンの寿命は10年程度で、気密性の劣化が始まります。
中間層にガスを入れている場合は、毎年約1%ほど抜けていき、30%(約30年)を越えると性能が落ちていくようですが、パッキンの劣化によって抜ける%は増えていきます。
この他、サッシの使い方、ガラスの重み、地震などの揺れなどによるサッシや窓枠への負荷の影響によって、フレームが歪むなどのダメージを受けることがあります。
こうした様々な要素によって、ガラスの間が結露したり、カビが発生したり、場合によっては隙間風や雨漏りがするようになると、交換を検討する必要が出てきます。
メーカー保証は10年間ですので、寿命が来て交換する場合は全額自腹となる可能性が高いです。
【デメリット⑤】重い
使用しているガラスの枚数が多い分、単板ガラスや複層ガラスよりも重いです。
仮に、高さ900㎜、横幅1800㎜、3枚の厚みが計9㎜の場合は、ガラスだけで約38kgほどになります。
ガラスの重さの計算式 |
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ガラス重量(kg) = 高さ(m) x 横幅(m) x 厚み(㎜) x 2.5(ガラスの比重) ※比重とは水と同じ体積と比べた場合の重さ(=ガラスは水より2.5倍重いということ) |
窓枠はスムーズに動きますが、高齢化して体力が衰えると(窓の開け閉めが大変だな…)と思うようになります。
また、錆などでスムーズに動かなくなると開け閉めがかなりきつくなります。
【デメリット⑥】防犯性は無い
通常のトリプルガラスに使われているガラスは普通のガラスです。
ガラスが3枚ありますので、1枚のガラスよりは割るのに時間がかかりますが、防犯性はありません。
ただ、使うガラスを防犯ガラスにすることで、防犯機能をプラスすることができます。
防犯ガラスとは、2枚以上のガラスに特殊な樹脂膜を挟んだガラスです。
枚数が増える分、重くなりますし、価格も高くなります。
トリプルガラス(サッシ)の交換費用を徹底解説
トリプルガラスに交換する方法と費用は次の通りです。
方法 | 費用感 |
---|---|
5万~26万円 | |
ガラス・サッシ代+工賃(2.5万円~6万円) | |
25万円~ |
それぞれご案内していきます。
サッシを購入してDIYで交換する場合の費用
樹脂サッシも込みの価格は次の通りです。
メーカー |
大きさなど |
価格(サッシ込) |
---|---|---|
リクシル | 寸法(W1540 x H1870mm x T37.3mm) アルゴンガス |
14万円前後 |
寸法(W1540 x H1870mm x T33.3mm) クリプトンガス) |
17万円前後 | |
三協アルミ | 寸法(W2070 x H2000mm x T37.3mm) アルゴンガス |
20万円前後 |
寸法(W2070 x H2000mm x T33.3mm) クリプトンガス |
26万円前後 | |
エクセルシャノン | 寸法(W1650 x H2000mm x T39mm) アルゴンガス |
18万円前後 |
サッシの費用はガラスの大きさや枚数、封入されているガスの種類によって大きく変わります。
取付の難易度が高いので、業者レベルの経験がある人でない限り、DIYは避けてください。
こちらの「APW430」というメジャーな三重サッシの施工説明書で、DIY難易度の高さを把握していただけます。
単板ガラスやペアガラスから交換する場合、窓周辺のリフォームをする必要があります。
トリプルガラスへの交換をプロに依頼した場合の費用相場
交換方法 | 費用(90㎝ x 180cm) |
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ガラス交換 | 7万円~16.5万円 |
サッシ交換 | 16万円~32.5万円 |
ガラス交換をするのか、サッシ交換をするのかで価格は異なります。
工賃だけなら相場は2.5万円~6万円です。
追加で次のような費用が掛かる場合があります。
発生する可能性のある追加料金 |
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・重量施工費 |
工賃は業者やあなたの家の状態によって大きく変わります。
まれに悪質業者がいますので、次のような対策をしてください。
悪質業者に騙されないための対策 |
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・必ず数社のガラス交換業者から見積りを取る |
相場を見極めるために、必ず数社のガラス交換業者から見積りを取るようにしてくださいね。
作業後に追加料金を伝えくるような悪質な業者がいますので、「追加料金はかからないか?」といった事前の確認をしてください。
支払い方法にクレジットカードなどがあると、一定の信頼がある業者といえます。
例えば、ガラスお助け本舗では見積もり後の追加料金はありませんし、支払い方法の幅が広いですし、年間5万件以上の実績があります。
説明は丁寧にしていますし、見積もりだけでもOKですので、気軽に0120-688-672へ連絡をしてみてください。
トリプルガラスへのリフォーム
窓周り全体(サッシや壁など)のリフォーム工事の費用は25万~60万円です。
交換は窓周りの工事が必要なため費用は高額になります。
ガラスの大きさや設置場所によって費用は大きく変わるため、数社のリフォーム会社から見積りを取るようにしてくださいね。
トリプルガラスの費用対効果を算出する3つのカギ
トリプルガラス(サッシ)への交換は、寒さが厳しい地域であれば、節電・節約の効果は高いです。
ですが、トリプルガラスへの交換費用は高いので、「費用対効果を把握しておきたい」という方もいると思います。
費用対効果を計算するには次の3つのカギが必要です。
トリプルガラスの費用対効果を算出する3つのカギ |
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①交換費用の相場を知る ②補助金を利用できるかどうかを知る ③省エネ効果を知る |
交換費用の見積もりは複数の業者から取ってください。
その際、「補助金に対応しているかどうか」の確認もしてみてくださいね。
補助金を利用する場合、あなたが支払うのは交換費用の合計の2/3です。
「どれぐらい省エネできるか」は事前にシミュレーションができますので、こちらのツールを利用してください。
どれぐらいの年数で回収できるか、節電金額で割ってみると、費用対効果が分かります。
トリプルガラスの費用対効果の計算例 |
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複数の業者から見積もりを取ったところ、トリプルガラスへの交換の総額は約120万円だった。補助金を利用するので、支払金額は2/3の約80万円になる。 暖冷房費をシミュレーションしたところ、トリプルガラスに交換した場合、年間5万円節約できるようなので、おおよそ16年で回収できることが分かった。 |
冬の寒さが厳しい地域の場合は費用対効果は良いですが、-5℃程度の寒さの地域の場合は、ペアガラスでも断熱対策は十分かもしれません。
現在が普通の1枚のガラス(単板ガラス)の場合は、ペアガラスに交換した場合の費用の見積もりも取り、費用対効果を計算してみてください。
トリプルガラスのデメリットや寿命・結露に関するまとめ
このページのまとめ |
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・トリプルガラスに交換する前に6つデメリットを把握する ・価格が高い、寿命は10~30年、結露するというデメリットがある ・交換する場合は複数の業者から見積もりを取って比較する |
トリプルガラスには4つのメリットと6つのデメリットがあります。
価格は高いですし、結露はしますし、寿命もありますが、それでも寒さが厳しい地域の場合は検討する価値があります。
交換する場合は、必ず複数の業者から見積もりを取って比較をしてくださいね。
悪質な業者に依頼してしまわないよう、通話料が無料で、24時間・365日対応しているようなサービスレベルの高い業者を選ぶことをおすすめします。