強化ガラスの強度などの3つの特徴や弱点・種類・厚み・値段を解説!

「強化がラスってどんなガラス?割れるの?弱点とかある?」
「強化ガラスの用途や値段などを知りたい」

スマートフォンのガラスや学校などの窓ガラス、店の陳列棚など、日常の様々な場所で利用されてい強化ガラス。

何となく「割れづらい」ということは知っていても、詳しいことはご存じない方は多いと思います。

このページでは、強化ガラスとはどんなガラスなのか、その特徴や弱点、種類、価格などをご案内しています。

強化ガラスの導入をご検討の方は、ぜひ参考にしてください。

強化ガラスとは?特徴や弱点、種類などを解説

強化ガラスとは、普通の板ガラスを約650~700℃まで熱したあと、表面に常温の空気を吹きかけて急速冷却することで作られるガラスです。

空気を吹きかけることで、ガラス表面は早く冷えますが、ガラス内部はゆっくりと冷えます。

この冷却の工程で、一般的な透明ガラス(フロートガラス)より力と熱に強い強化ガラスが生まれます。

特徴や弱点をご案内していきます。

強化ガラスの3つの特徴

ポイント 概要
①強度 強度は普通の板ガラスの3~5倍
②耐熱温度 耐熱性は150~200℃
③割れ方 一気に粉々になる。割れても飛散しない。破片が鋭利にならない。

強化ガラスの特徴は3つあります。

まず、強度ですが、強化ガラスは一般的な透明ガラス(フロートガラス)よりも3~5倍ほどの強度があります。

次に耐熱温度ですが、フロートガラスの耐熱性は約110℃で、強化ガラスは150~200℃ですので、1.4~1.8倍ほど高いです。

このように、力や熱が加わっても割れづらい分、透明なガラスよりも熱割れしづらいです。

熱割れ=寒暖差が原因で自然にガラスにヒビが入ってしまう現象

ただし、耐熱ガラスではないので、100℃を越える温度差(熱衝撃)がある場合は割れる可能性があります。

耐熱性が必要な場合には、450~1200℃の熱に耐えられる耐熱ガラスを利用してください。

最後に割れ方ですが、割れると一気に粉々になります。

割れても破片が鋭利になりづらく、周りに飛散しずらいため、安全ガラスとも呼ばれています。

参考)中島硝子工業「ガラスの使用温度」AGC「ガラスが割れる時」

強化ガラスの弱点・デメリット

強化ガラスの弱点・デメリット
・防犯対策はできない
・小口(ガラスの端の部分)が弱い
・加工できない

それぞれご案内していきますね。

防犯対策はできない

強化ガラスでは防犯対策できません

強化ガラスは面への圧力には強いですが、一点にかかる強い力には弱く、ハンマーなどで叩くと簡単に割れてしまうからです。

防犯対策をお考えなら、防犯性に優れた合わせガラス(防犯ガラス)の利用がおすすめです。

合わせガラスとは2枚のガラスの間に中間膜を入れたガラスで、割れにくく耐風圧も高いため防犯性が高いです。

小口(ガラスの端の部分)が弱い

小口とは、ガラスの端の部分です。

この箇所をハンマーなどで軽く叩くだけで割れてしまいます。

加工できない

製造後の強化ガラスを加工することはできません

強化ガラスはバランスが一気に崩れると一気に粉々になってしまうからです。

加工とは、一般的な透明ガラス用の機械でカットしたり、穴を開けたり、といったことです。

強化ガラスを加工する場合は、熱処理を行なう前に加工しておく必要があります。

参考)防犯ガラスの値段と交換費用相場

製造法、ガラスの種類、厚み、見分け方について

ガラスを強化ガラスに加工する方法は2種類あります。

製造方法の種類 概要
熱強化 ガラスを650~700℃まで熱した後、表面に常温の空気を吹きかけて急速に冷やすことで3層構造にする。風冷強化とも呼ばれる。製造後の加工はできない。
化学強化 ガラスの表面をイオン交換することで3層構造にする。ケミカル強化とも呼ばれる。製造後でも加工できる。

このページでご案内している内容は主に熱強化で製造された強化ガラスについてです。

使われるガラスの種類は、透明なフロートガラスの他、高透過ガラス、スモークガラス、すりガラス、無反射ガラスなどがあります。

後程、詳しくご案内しますが、熱強化された強化ガラスは、窓ガラスやテーブルの天板、ショーウィンドウなどに使われます。

熱強化の強ガラスの厚みは5mm、6mm、8mm、10mm、12mm、15mm、19mmの7種類です。

化学強化された強化ガラスは、スマホなどのタッチパネル、コピー機やスキャナーの台、光ディスク、電子レンジのガラスなどに使われます。

化学強化の場合は、0.5mm~5mmと、熱強化のガラスよりも薄いです。

普通のガラスとの見分け方は、シールとマークがあるので大半は分かります。

画像引用)AGC「学校のガラス

この他、歪(ひずみ)のチェックや 偏光板を使う方法がありますが、専門知識が無いと見分けることはできません。

強化ガラスはなぜ割れづらい?その仕組みを解説

強化ガラスが割れづらいのは、製造の過程で加熱後に冷却することで、表面には圧縮応力層、内部には引張応力層という違う性質を持った3層構造になるからです。

分かりやすくご案内していきますね。

まず、3層構造とは次のような内容です。

強化ガラスは3層構造
・圧縮応力層(表面)
・引張応力層(内部)
・圧縮応力層(表面)

引張応力層を、圧縮応力層でサンドイッチしているイメージです。

画像引用)日本硝子製品工業会

圧縮応力と引張応力とは、次のような力のことです。

力の種類 概要
圧縮応力(あっしゅくおうりょく) ガラスを押しつぶす力に対して、ガラス内部に生じる反発力(抵抗力)。冷却終了後に生まれる。
引張応力(ひっぱりおうりょく) ガラスを引っ張る力に対して、ガラス内部に生じる反発力。もともとガラスが持っている。

表面の圧縮応力層の厚みは板厚の6分の1程度で、その力は引張応力の2倍ほどになります。

例えば、ボールが上から落ちてきた時に、ガラスの上下の表面に圧縮応力が生じるため、割れづらいです。

画像引用)AGCガラスプラザ

強化ガラスが割れる4つの原因

強化ガラスが割れる4つの原因
①日常生活の表面の傷の蓄積
②小口(ガラスの端の部分)に衝撃が加わる
③表面に外部からの強い衝撃が加わる
④ガラス内部の異物(ごくまれ)

これまでご案内してきたように、強度が強い強化ガラスも割れます。その原因は4つあります。

①日常生活の表面の傷の蓄積

例えば強化ガラスのコップを日常生活で使っていると、細かい傷がつきます。

1つ1つの傷は小さくても、傷が内部の層(引張応力層)に到達してしまうと、バランスが一気に崩れて突然割れてしまいます。

表面の圧縮応力層は板の厚みの6分の1程度

家庭で「ガラスのコップが突然粉々に割れた」という場合は、この可能性が高いです。

②小口(ガラスの端の部分)に衝撃が加わる

先ほどもご案内しましたが、小口(ガラスの端の部分)に衝撃がかかると割れます。

ハンマーで数回、軽めに叩いだだけでも割れてしまうほどです。

家に強化ガラスの板がある場合は真似しないでください。

③表面に外部からの強い衝撃が加わる

強化ガラスは面で押されるような力には強いのですが、一点にかかる強い力に耐性がありません

ハンマーなどで表面を強めに何度も叩くと、こちらの動画のように、ガラスの一部に表面にヒビが入った瞬間に一気に粉々になります。

④ガラス内部の異物(ごくまれ)

強化ガラスの製造工程でガラス内部に混入した異物(主に硫化ニッケル)が原因で割れることがあります。

ビルのガラスが「特に何もしていないのに自然に壊れた(自然破壊)」という場合は、この可能性があります。

異物の混入を防ぐためにヒートソーク処理という再加熱処理をしていますが、それでも自然破壊が起こります。

ただし、その確率は数万分の1とごくまれです。

確率:1,500~3,000トンの出荷量で1枚

参考)セガ・ロジスティクスサービス「強化ガラス取扱に関して」

強化ガラスの用途を解説!

強化ガラスの用途
・窓ガラス(公共のビル、学校、商業ビルなど)
・ガラステーブルの天板
・店舗の販売棚、ショーウィンドウ
・機器のメーター窓
・スマートフォンの画面など
・食器
・車のガラス

強化ガラスの用途は様々です。それぞれご案内していきますね。

窓ガラス(公共のビル、学校、商業ビルなど)

安全性の高い強化ガラスは公共の場によく利用されています。

学校やビルは日常的に多くの人が集まり、災害時は避難所として利用されることもあるため、安全性の高い強化ガラスが最適なのです。

ガラステーブルの天板

子どもやペットなどが触れる可能性があるガラス天板には、強度と安全性が欠かせません。

使用するガラスの厚みは設置方法によって異なります。

ガラスの一部にしか支えがない場合は、強度を確保するため厚さ10mm以上の強化ガラスを使用する場合もあります。

ガラステーブルに物を置くと、横幅(W)が広くなるにつれてたわみやすくなりますので、必ず製品の耐荷重をチェックして、購入してください。

店舗の販売棚、ショーウィンドウ

店舗の販売棚は人が多く触れるため、耐久性と安全性を考慮して強化ガラスがよく利用されています。

傷がつきにくく手入れが楽で、商品が見やすく高級感が出るというメリットもあります。

機器のメーター窓

強化ガラスは過酷な環境にも耐えられるため、機器のメーター窓にも利用されています。

スマートフォンの画面など

使用頻度の高いスマートフォンの画面にはある程度の強度が求められるため、強化ガラスが利用されています。

スマートフォンの保護フィルムにも強化ガラスを使った製品があります。

このタイプの強化ガラスはケミカル処理による化学強化された強化ガラスです。

ケミカル強化のガラスはスマホの他、コピー機やスキャナーの台、電子レンジのガラスなどに使われます。

食器

グラスやボウル、皿に使われています。

透明なだけでなく、半透明の色が付いたものもありますし、一見真っ白な食器でも、強化ガラスが使われていることがあります。

車のガラス

サイドウインドウ、リアウインドウに強化ガラスが使われています。

1987年(昭和62年)9月以前はフロントガラスにも使われていました。

ですが、事故の際に破片が目に入るなどのリスクがあることから、運輸省(現:国土交通省)の道路運送車両法によって、合わせガラスが義務付けられています。

参照)JAF「自動車のウインドウガラスの種類」、国土交通省「道路運送車両の保安基準 第29条(窓ガラス)

強化ガラスの値段と交換費用

強化ガラスの値段と交換費用についてご案内していきます。

強化ガラスの値段

強化ガラス値段は厚みとサイズで異なります。

オーダーの場合は次の通りです。

・強化ガラスの値段表

厚み 90 x 90cm 90 x 180cm
5mm 1.5万円~ 2.5万円~
6mm 2万円~ 3.5万円~
8mm 4万円~ 6.5万円~
10mm 5万円~ 8万円~
12mm 6万円~ 10万円~
15mm 10万円~ 16万円~
19mm 12.5万円~ 20.5万円~

90 x 90cmは自宅の各部屋の腰高窓(こしだかまど)、 90 x 180cmはリビングの大きな窓のサイズです。

普通のガラスと強化ガラスの価格差は次のように約1.5倍です。

・普通のガラスとの価格差

サイズ 普通のガラスの値段  強化ガラスの値段
90cm x 90cm x 5mm 1.0万円~ 1.5万円~
90cm x 90cm x 10mm 3.5万円~ 5万円~

ビバホームなどのホームセンターでは、厚み6㎜で120cm x 20cmの強化ガラス棚板が5,000円ですが、オーダーでは8,000円~です。

オーダーの方が価格が高いので、サイズが分かっている場合は安い既成品をご検討ください。

最小寸法は、特殊なメーカーで直径50㎜×50㎜のものもあります。この場合は、必要に応じてメーカーとやり取りすることになります。

強化ガラスの交換をプロに依頼した場合の費用

プロに依頼する場合は、先ほどの強化ガラスの値段表に施工費などが加わります。

・強化ガラスの交換費用(サイズ90cm x 90cm x 5㎜)

項目 金額
ガラス代 15,000円~
施工費 10,000円前後
出張費 2,000円~ (料金に含まれている場合あり)
処分費 2,000円前後
合計 29,000円~

あくまで目安ですが、先ほどの強化ガラスの値段表の価格に1.5万円~を追加した金額と考えておいてください。

ただし、状況によってガラス代や作業費は異なります。

なお、まれに悪質な業者に依頼してしまって、金銭トラブルになってしまうこともありますので、良心的な業者に依頼するようにしてくださいね。

ガラスお助け本舗では修理費用が3,980円~+ガラス代で、他店よりも高い場合は相談に乗ってくれます。

相談や見積もりは無料ですので、一度お気軽にお問い合わせください。

>>ガラスお助け本舗に相談する

強化ガラスのまとめ

このページのまとめ
・強化ガラスは耐久性や耐熱性が高い
・その特徴から様々な用途がある
・交換するならプロに依頼

強化ガラスは一般的なガラスに熱処理を加えたガラスとケミカル処理されたガラスがあります。いずれも耐久性や耐熱性に優れています。

見た目が一般的なガラスと同じ透明なため、強化ガラスはガラス天板やスマートフォンの画面などさまざまな場所で利用されています。

ただし、強化ガラスは一点に強くかかる力には弱く、防犯対策としては使えないので注意が必要です。

強化ガラスに交換するなら、強化ガラスに強く、リーズナブルなガラスお助け本舗へ、一度お気軽にお問い合わせください。

>>ガラスお助け本舗

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