【プロが監修】窓ガラスの交換費用はいくら？値段の相場や種類別費用・安くする方法も解説

窓ガラスの交換を検討する際、最も気になるのが費用ではないでしょうか。

ひび割れや経年劣化、結露対策、防犯性向上など、交換の理由はさまざまですが、ガラスの種類やサイズ、施工方法によって料金は大きく変動します。

この記事では、窓ガラス交換にかかる費用の相場から、種類別の詳細な料金、そして費用を抑えるための具体的な方法まで、わかりやすく解説していきます。

窓ガラス交換方法別の費用比較

窓ガラスの交換方法は大きく分けて3つあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

予算や目的、DIYの経験値に応じて最適な方法を選ぶことが、満足度の高い交換につながります。

ガラス専門業者に依頼する場合の費用

専門業者に依頼する場合、工賃込みで確実な仕上がりが期待できます。

一般的な腰高窓（約90cm×90cm）のフロートガラス交換であれば、15,000円から30,000円程度が相場となります。

この金額には、ガラス代、施工費、出張費、古いガラスの処分費用などが含まれることが一般的です。

専門業者に依頼した場合、保証やアフターサービスが受けられることもメリットと言えるでしょう。

施工後に不具合が発生した場合でも、多くの業者が1年から5年程度の保証を設けているため安心です。

さらに、窓ガラスの交換作業がDIYよりも短時間で終わることや、作業で怪我をするリスクを避けられることもメリットです。

これらのメリットを考えると、専門業者に依頼するコストパフォーマンスは高いと言えます。

特に複層ガラスや防犯ガラスなど、扱いが難しい窓ガラスの交換を検討している場合は、専門業者への依頼が確実です。

ホームセンターに依頼する場合の費用

一部の大きなホームセンターでは、窓ガラス交換の依頼を受け付けています。

ホームセンターの場合、材料をその場で購入し、提携している施工業者を紹介してもらえるケースがあります。

料金は一般的な専門業者とほぼ同等か、やや安価になる傾向があり、腰高窓で13,000円から28,000円程度が目安です。

受付窓口に相談すると依頼できますが、交換に対応しているかは事前に確認しましょう。

店舗によってはガラスのカットサービスのみで、施工は行っていない場合もあるため、訪問前に電話で確認しておくとスムーズです。

また、在庫状況によっては希望するガラスの種類やサイズがすぐに手に入らないこともあるため、納期についても確認しておきましょう。

DIYで交換する場合の費用

DIYで交換する最大のメリットは、材料費のみで安くできることです。

専門業者に依頼する場合と比較すると、工賃分の8,000円から15,000円程度を節約できます。

ホームセンターや通販でガラスを購入し、腰高窓のフロートガラスであれば材料費は8,000円から20,000円程度です。

ただし、初めてDIYする場合は、ガラスカッターやコーキングガン、保護メガネ、耐切創手袋などの工具・安全装備の購入が必要となり、初期投資として3,000円から5,000円程度かかります。

ガラスは鋭利で重量もあるため、取り扱いには細心の注意が必要です。

また、サイズの測定ミスやコーキングの不備があると、隙間風や雨漏りの原因となり、結局業者に依頼し直すことになるケースもあります。

DIYは単板ガラス（フロートガラス）に限定し、複層ガラスや強化ガラスなど専門的な技術が必要なものは避けるべきです。

窓ガラスの交換費用を左右する要因

窓ガラスの交換費用は、さまざまな要因によって変動します。

主な変動要因を理解しておくことで、見積もり内容を正しく判断し、予算に合った選択ができるようになります。

プロに依頼するかDIYで修理するか

一般的な腰高窓（約90cm×90cm）のフロートガラスを1枚交換する場合、費用の目安は以下のようになります。

項目	プロに依頼	DIY
総額目安	約15,000円～30,000円	約8,000円～20,000円
費用の内訳	材料費＋技術料・諸経費	材料費＋工具代（初期投資）
メリット	速い・安全・確実・保証付き	費用が安い
デメリット	費用が高い	ケガ/失敗のリスク・手間がかかる

プロに依頼する場合は約15,000円から30,000円、DIYで行う場合は約8,000円から20,000円が相場です。

プロに依頼するメリットは、以下の4つです。

窓ガラスの交換をプロに依頼すれば、経験豊富な職人がスピーディーかつ安全・確実に施工してくれます。

ガラスの採寸や規格の判別は素人には難しいこともあり、ネットでガラスを発注してもうまく設置できないリスクもあります。

また、万一のトラブルの際にも補償で対応してくれるところも魅力です。

DIYのメリットは、費用が安いことです。

しかし、デメリットとしてケガや失敗のリスク・手間がかかることを十分に理解しておく必要があります。

特に高所作業や大きなガラスの交換は、一人で行うことは難しく、家族や友人の協力が不可欠です。

窓のサイズ・形状による違い

窓のサイズは、交換費用に直結する重要な要素です。

ガラスの種類	料金（90cm×90cmの場合）
フロートガラス	10,000円〜21,000円程度
強化ガラス	25,000円〜40,000円程度
型番ガラス	20,000円〜35,000円程度
複層ガラス	30,000円〜70,000円程度
強化ガラス	30,000円〜50,000円程度
防犯ガラス	35,000円〜90,000円程度
防火ガラス	25,000円〜60,000円程度

上の表のように、ガラスのサイズとガラスの種類によって料金が異なります。

ガラス専門業者による料金の差

同じガラス交換でも、業者によって料金設定は大きく異なります。

全国展開している業者や都市部の業者は人件費や出張費が高くなる傾向があります。

しかし、その分対応が早く、当日の出張など時間に融通が利くこともあります。

地域密着型の小規模業者は、店舗運営コストが低く、柔軟な価格設定をしている傾向にが見られます。

一方で、地域密着型の業者はメインの収入が工務店からの受注案件などになるため、緊急時にすぐ来てもらうことは難しいでしょう。

特に、当日すぐに来てもらえることは極めて稀です。

ホームセンター経由の場合は、材料費は安いものの、提携業者の技術レベルや保証内容にばらつきがあるため、総合的な判断が必要です。

同じ作業内容でも1万円以上の差が出ることも珍しくないため、必ず複数社から見積もりを取って比較検討することをおすすめします。

ガラスの種類別費用（窓ガラス値段）

窓ガラスの種類によって、価格は大きく異なります。

以下の料金表は、一般的な窓サイズ別の費用相場をまとめたものです。

ガラスの種類	厚さ	小窓 （～45cm×～90cm）	腰高窓 （～90cm×～90cm）	掃き出し窓 （～90cm×～180cm）	欄間・長窓 （～130cm×～45cm）
フロートガラス	3mm	13,200円～	15,400円～	24,200円～	18,700円～
フロートガラス	5mm	16,500円～	19,800円～	31,900円～	24,200円～
型板ガラス	4mm	14,300円～	16,500円～	26,400円～	20,900円～
型板ガラス	6mm	18,700円～	22,000円～	35,200円～	27,500円～
すりガラス	3mm	17,600円～	22,000円～	33,000円～	26,400円～
すりガラス	5mm	24,200円～	28,600円～	46,200円～	37,400円～
網入り型板ガラス	6.8mm	22,000円～	27,500円～	44,000円～	35,200円～
網入り透明ガラス	6.8mm	26,400円～	33,000円～	52,800円～	41,800円～
強化ガラス	5mm	33,000円～	41,800円～	69,300円～	55,000円～
複層ガラス（ペアガラス）	12mm	36,300円～	44,000円～	66,000円～	52,800円～
防犯ガラス	-	44,000円～	55,000円～	88,000円～	70,400円～
真空ガラス	6.2mm	60,500円～	77,000円～	115,500円～	92,400円～

フロートガラス（透明）

一般的な住宅・建物に最も多く使われている基本的なガラスです。

フロートガラスは、溶けたガラスを溶融金属の上に浮かべて平らにする製法で作られており、表面が非常に滑らかで透明度が高いのが特徴です。

無色透明で視界がクリア、コストが最も安価なため、予算を抑えたい場合や、特別な機能を必要としない窓ガラスに最適です。

腰高窓で15,400円から19,800円程度と、他のガラスと比較しても圧倒的に安価です。

ホームセンターで購入でき、サイズカットも容易なため、初めてガラス交換に挑戦する方にも扱いやすいガラスです。

ただし、フロートガラスは、衝撃には弱く、防犯性・断熱性はほとんどありません。

また、現代の新築住宅ではほとんど採用されていません。

割れると鋭利な破片になるため、子どもやペットがいる家庭では注意が必要です。

また、単板ガラスのため、冬場は結露が発生しやすく、冷暖房効率も良くないため、室内窓や目隠し不要の場所に向いています。

リビングの内窓や、納戸・物置など、外部からの視線を気にしない場所であれば、コストパフォーマンスの高い窓ガラスとなります。

すりガラス

片面をすり加工した曇りガラスで、やわらかい光を通します。

すりガラスは、ガラスの表面を金剛砂などで擦って細かな傷をつけることで、光を拡散させる加工を施したものです。

型板ガラスよりも均一な曇り具合で、柔らかく上品な印象を与えます。

ただし、指紋や汚れがつきやすく、傷も目立ちやすいため、手入れには注意が必要です。

すりガラスの表面は凹凸が細かいため、一度汚れが付着すると落としにくく、こまめな掃除が求められます。

ナチュラルで落ち着いた印象を与えるデザイン性の高い窓ガラスです。

和室や、落ち着いた雰囲気を演出したい空間にマッチします。

腰高窓で22,000円から28,600円程度と、型板ガラスよりも高価ですが、その分デザイン性は高く評価されています。

室内間仕切りや建具、小窓などに向いており、リビングとダイニングの間仕切りや、寝室の小窓など、内部空間での使用に適しています。

外部に面した窓ガラスに使用する場合は、汚れや水垢が目立ちやすいため、掃除の頻度や使い方には注意が必要です。

型板ガラス（かすみ）

表面に凹凸模様があり、半透明で視線をぼかす効果があります。

すりガラスと異なり、水に濡れても透過しないという特徴も持っています。

型板ガラスは、片面に細かな凹凸パターンを施すことで、光を乱反射させて透け感を抑える仕組みです。

採光を確保しつつ、プライバシーも守れるため、浴室やトイレ、脱衣所など、明るさは必要でも外から見えては困る窓ガラスに多く採用されています。

腰高窓で16,500円から22,000円程度と、フロートガラスよりやや高めですが、その分目隠し効果が得られます。

インテリアの雰囲気に合わせて選べるため、デザイン性を重視したい方にもおすすめです。

DIYでも扱いやすく、フロートガラスと同様にホームセンターで購入でき、カットも比較的容易です。

凹凸があるため、汚れが溜まりやすい点には注意が必要ですが、定期的な掃除で美観を保てます。

網入り型板ガラス

型板ガラスに金属の網を封入した防火性能付きの半透明ガラスです。

網入りガラスは、ガラスの製造過程で金属製のワイヤーを封入したもので、火災時の延焼防止を目的としています。

火災時の飛散防止や延焼防止が期待できます。

火災が発生した際、ガラスが割れても網が破片を保持するため、炎や熱の拡散を遅らせる効果があります。

防火地域など建築基準法で設置が義務付けられることがあり、準防火地域や防火地域に指定されている地域では、延焼のおそれのある部分に網入りガラスの使用が求められる場合があります。

また、割れた場合もガラスが網にひっかかるため落下しにくく、安全性が高いのも特徴です。

腰高窓で27,500円程度と、通常の型板ガラスより高価ですが、法令遵守と安全性を考えれば必要な投資です。

ただし、加工は困難で、DIYには不向きです。

網が入っているため、通常のガラスカッターでは切断できず、専門業者による施工が必須となります。

網入り透明ガラス

透明ガラスに金属網を封入した防火性能付きのガラスです。

網入り型板ガラスとの違いは、透明で視界がクリアな点にあります。

型板タイプより視界がクリアで、室外を見たい場合に適しています。

玄関や廊下など、外の様子を確認したい場所や、採光を重視したい場所に向いています。

ただし、網のパターンがはっきりと見えるため、デザイン的に気になる方もいるかもしれません。

網入り透明ガラスは、防火区画での使用が多く、DIYでの加工・カットできません。

腰高窓で33,000円程度と、網入り型板ガラスよりもさらに高価ですが、防火性能と視認性の両立が必要な場合には最適な選択肢です。

強化ガラス

高温加熱後に急冷して表面に圧縮応力を持たせた高強度ガラスです。

強化ガラスは、フロートガラスを約700℃まで加熱した後、急速に冷却することで製造され、この過程で表面に圧縮層が形成され、高い強度を実現しています。

通常のフロートガラスの約3から5倍の強度を持ち、衝撃や風圧に対して非常に強く、台風や地震などの災害時にも破損しにくい特性があります。

強化ガラスは割れるとガラスが細かい粒状になるため、破片で怪我をするリスクを低減することができます。

ベランダの手すり、浴室ドア、ガラス扉など、人がぶつかる可能性のある場所や、子どもが遊ぶエリアに面した窓ガラスでの使用が推奨されます。

腰高窓で41,800円程度と、フロートガラスの約2倍の価格ですが、安全性を考えれば妥当な投資です。

ただし、カット後の加工はできないため、サイズ確定後に発注する必要があります。

強化処理後のガラスは、切断や穴あけなどの加工ができないため、正確な寸法測定が必要です。

発注時に寸法ミスがあると作り直しになるため、プロに採寸を依頼するのが確実です。

複層ガラス(ペアガラス)

引用：AGC「ペアガラス（複層ガラス）」

2枚のガラスの間に空気層を設けた断熱構造のガラスです。

複層ガラスは、2枚のガラスを一定の間隔で平行に配置し、その間に乾燥空気やアルゴンガスを封入した構造になっています。

室内と外気との温度差を緩和し、結露の発生を抑制できます。

冬場、単板ガラスでは外気の冷たさが直接室内に伝わりますが、複層ガラスは空気層が断熱材の役割を果たすため、室内側のガラス表面温度が下がりにくく、結露が発生しにくくなります。

また、断熱性能が高いため、冷暖房の効きが良くなり、光熱費の削減につながります。

結露防止や断熱対策が必要な窓に向いており、寒冷地や結露に悩んでいる家庭には特におすすめです。

腰高窓で44,000円程度と、フロートガラスの約3倍の価格ですが、快適性と省エネ効果を考えればコストパフォーマンスは高いといえます。

ただし、DIYでの交換は困難で、基本的にはプロ施工向けです。

合わせガラス

引用：セントラル硝子

合わせガラスは、2枚以上のガラスの間に中間膜(樹脂フィルムや樹脂層)を挟み、加熱圧着して一体化させたガラスのことを指します。

この構造により、ガラスが割れても破片が飛び散りにくく、高い安全性を発揮します。

また、合わせガラスは中間層の特性により、安全性、防犯性、遮音性、紫外線カットなどのメリットも得られます。

安全性の面では、割れても破片が中間膜に付着するため、地震や台風時の飛散防止に有効です。

合わせガラスは重量があるため、施工には専門知識が必要です。

DIYでの取り付けは難しいため、必ず専門業者に依頼しましょう。

費用を安く抑えるコツ

窓ガラスの交換費用は工夫次第で抑えることが可能です。

以下の方法を組み合わせることで、品質を保ちながら予算内で理想的な交換を実現できます。

目的にあった窓ガラスを選ぶ

窓ガラスの交換費用を考える際には、施工費用だけでなく、長期的なコストパフォーマンスを考えることが重要です。

安価なフロートガラスは初期費用を抑えられますが、断熱性能がないため、冷暖房費が高くなり続けます。

一方、複層ガラスは施工費用が高めですが、光熱費の削減効果が大きく、数年で差額分を回収できる可能性があります。

将来的なコストも意識し、最適な窓ガラスを選択しましょう。

シーリングをグレチャンに変更する

もし、交換したい窓ガラスが接着剤のような材料で固定する「シーリング」という方法で取り付けられていた場合、別の方法に変更することで費用を抑えられる可能性があります。

シーリングとは、ガラスと窓枠の隙間に専用の接着剤状の材料を充填して固定する方法です。

しっかりと密着する反面、材料が完全に乾燥するまで24時間程度かかるため、施工に時間と手間がかかります。

これを、ゴムパッキンでガラスを挟み込んで固定する「グレチャン（グレイジングチャンネル）」という方法に変更すると、作業時間が大幅に短縮されます。

グレチャンは、ガラスの周囲にゴム製のパッキンをはめ込むだけで固定できるため、乾燥時間が不要で、その場で作業が完了します。

作業時間が短くなれば工賃も抑えられるため、実際には1万円程度安くなることもあります。

ただし、業者によっては対応していない場合もあるため、見積もりの際に相談してみるとよいでしょう。

DIYをする

DIYだと業者への依頼料金分を節約することが可能です。

工賃や出張費が不要になるため、材料費だけで済み、腰高窓1枚あたり8,000円から15,000円程度の節約になります。

慣れていれば短時間で修理・交換が可能で、過去にガラス交換の経験がある方や、DIYに慣れている方であれば、1窓あたり1時間から2時間程度で作業を完了できます。

休日に自分のペースで作業できるのも、DIYのメリットです。

ただし、知識や経験がない場合は失敗したり、完成後後悔することもあるので注意が必要です。

サイズ測定のミス、コーキングの不備、ガラスの破損など、失敗のリスクは高く、結局業者に依頼し直すことになれば、かえって高くつきます。

初めてDIYをする方は、小さな窓から始めるか、単板ガラス限定にとどめることをおすすめします。

複層ガラスや強化ガラス、防犯ガラスなどは専門技術が必要なため、必ず業者に依頼しましょう。

まとめ

窓ガラスの交換費用は、窓ガラスの機能やサイズ、プロに依頼するかDIYをするかなどによって変動します。

窓ガラスにはプライバシー保護や防犯など様々な効果があり、求める機能によって単価が変わります。

また、窓ガラスはサイズが大きくなるほど費用がかかり、ガラスの交換費用はプロに依頼するか、DIYするかでも変わってきます。

DIYは難易度の高い窓ガラスの交換には向いていないので、自身の技術や知識、安全面に不安がある場合は、業者に相談・依頼することをおすすめします。